交通事故による背中や手がしびれる3つの原因と対処法
交通事故にあった時にこんな悩みがありませんか?
- 首を前後に倒すと痛い
- 首が回せない
- 指先がしびれる
- 背中に違和感がある
- 手の感覚がおかしい
交通事故にあった春日井市在住のIさんの症状
信号待ちで追突にあったIさんは、事故数日後から
首や背中に痛みやしびれが出て整形外科で見て
もらいました。
先生に症状を詳しく伝えて、直ぐに身体チェックを
受けることになりました。
しかし、レントゲンやMRIを撮っても首の骨には
異常はなく湿布と痛み止めの薬を出されるだけでした。
それから毎日、痛めた部位に湿布を貼り、痛み止めの薬を
飲んで様子をみていましたが背中の痛みや手のしびれが
とれません。
「どうして痛みやしびれが消えないの?」
と不安に思ったIさんは再び整形外科で見て
もらうことにしました。
先生は、
「骨には異常がないから、もう少し時間が経てば
楽になると思いますよ」
と言って施術を受けるように勧められました。
施術は首を牽引機で引っ張ってもらってから
軽く首をマッサージしてもらいました。
早く痛みやしびれから解放されたいので毎日通い
続けましたが、施術を受けた直後は改善するのですが
直ぐに戻ってしまいます。
このままでは改善しないと思い
近くの接骨院(当院)で見てもらうことに決めました。
むちうち(斜角筋症候群)
むちうちは交通事故などの際に衝撃を受け
頭部が前後に揺すられた結果、しびれ、痛み
めまい、頭痛などの神経症状を訴えるものの総称を
言います。
むちうちで一番多く損傷を受けるのは首の前側の筋肉です。
追突などの交通事故によって首が後ろに強く倒れた時に
首の前側が急激に伸ばされて首の前側の筋肉
(頚長筋、頭長筋、前頭直筋、外側頭直筋)が損傷します。
上記の損傷した筋肉は首の安定に深く関与している
ため代償的に、「斜角筋」という首の前側の別の筋肉が
過緊張を起こし首の安定を図ろうとします。
斜角筋は前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋の3つに分かれます。
前斜角筋と中斜角筋の間から動脈(鎖骨下動脈)と
神経(腕神経叢)が出ています。
この2つの斜角筋が交通事故によって過緊張を起こすと
動脈と神経を圧迫して、首から手にかけてしびれや痛みが
出ます。
動脈が圧迫されると手がもわぁ~とします。
長時間正座をすると足がしびれてくるような感覚と同じです。
神経が圧迫されると神経に沿って症状が出るので
首から手にかけてしびれや痛みが一本の線上に
出ます。
むちうちになると患者さんはまず
放散痛、鋭い痛み、しびれ、肩甲骨の上部に痛みを
訴えます。
身体チェックを行うと、脈拍の減衰(橈骨動脈)、
瞳孔縮小、眼瞼下垂、眼球の後退というホルネル徴候、
自律神経の交感神経が損傷すると発汗や顔面が紅潮します。
自分で斜角筋症候群かどうか判断する場合は
首を左右に回した時に首から手にかけて痛みや
しびれが悪化した場合は疑いがあります。
対処法
むちうちの対処法は大きく分けて3つです。
1つは安静、2つ目はアイシング、3つ目は筋トレです。
安静期間は1~2ヶ月間です。
整形外科で見てもらうと頚椎カラーといって首を
固定する輪っかのコルセットが出されますが、
長期間固定すると首の筋肉が低下するので
注意して下さい。
むちうちの初期は炎症を起こし熱が発生しているので
痛めた部位を氷水で72時間冷やします。
アイスパックやアイスノンで冷やすと凍傷の危険性が
あるのでお勧めはしません。
冷湿布も一時的に冷えるだけですので、
氷水によるアイシングをお勧めします。
腫れが引いて深部がまだ痛い場合には
痛めた部位を温めます。冷やしたらいいのか、温めたら
いいのか分からない場合は冷やしてください。
間違って冷やしても悪くなることはありませんが
温めた場合にはひどくなることがあります。
筋トレは痛みやしびれがある程度消えてから
行います。軽症の場合は受傷後、1週間以内
に行ってもかまいません。
頭の前後左右斜めに手を当てて、前後左右斜めの
方向へ痛みのない範囲で押しつけます。押しつけた
力に対して頭は動かないように抵抗します。
おしくらまんじゅうのように押し合いっこしている
感じです。
この時は頭が動かないように抵抗して下さい。
時間は7秒間押して、10秒間休憩します。
これを5セット行います。
頚椎ヘルニア
交通事故によって首のヘルニアはよく起こりますが
最初は気づかないことが多いです。
事故直後はパニック状態になっていて痛みやしびれを
感じないからです。
事故にあってから何日も経っても、背中や手に痛みや
しびれが残っている場合は頚椎ヘルニアの疑いが
あります。
軽いヘルニアだと病院でレントゲンなどのテストを
受けても異常なしと言われ何も処置されません。
頚椎ヘルニアの症状は首の痛みと肩から肘
指先に痛みが出ることが多いです。
注意したいのは肩甲骨周辺にも症状が出ます。
特に首の下から肩甲骨にかけて、また背骨と
肩甲骨の間に痛みやしびれが出ます。
対処法
むちうちにあってから痛みやしびれが
一週間経っても引かず、首を前に倒した時、
せき、くしゃみをした時、朝痛い時に行ってください。
対処法はバスタオルを使います。
(上記の画像を参考にして下さい)
縦に二回起たんでからロールケーキのように
くるくる巻きます。
そして、仰向きになって枕なしで首の根元に
入れて寝ます。ちょっと顎が上がる感じがベストです。
もしも首に痛みが出た場合は、まだ行う段階では
ないので中止して下さい。
時間は10分間です。10分経ったら低い枕で寝て下さい。
自律神経の乱れ(自律神経失調症)
交通事故にあって病院で精密にテストをしても異常がなく
背中や手がしびれる場合は自律神経が乱れている
可能性があります。
自律神経は自分の意志ではなく無意識に内臓・血管・汗腺を
コントロールしています。自動的に働いているので、この能力を
自動脳と言います。
痛みやしびれの原因が分からないと多くの人が不安に
襲われます。この状態が続くとストレスが蓄積して自律神経に
悪影響を与えます。
自律神経が乱れると血管を支配しているので血流が
悪くなります。そのため、背中や手に十分な血液が
届かなくて痛みやしびれが発症します。
また、血行が悪くなると疲労物質である乳酸が
溜まって筋肉にある神経(筋肉を包む筋膜にある痛覚神経)
を刺激して痛みやしびれを引き起こします。
加害者の保険会社担当者との交渉が難航していたのが
前進してストレスが緩和されると痛みやしびれが解消される
ことはよくあります。
精神的疲労によって全身の筋肉も緊張してかたくなっているので
接骨院や整体、マッサージなどで緩めてもらうとリラックスして
自律神経の乱れが減り症状が変わることもあります。
まとめ
交通事故にあった春日井市在住のIさんの症状は
頸椎ヘルニアでした。
病院で痛み止めの薬、湿布、牽引やマッサージなどの
リハビリを続けても一向に改善しなかったのです。
知ってほしいのは交通事故によって首を痛めた時に
むちうちだけではないということです。
痛みやしびれの根本的な原因が何なのか
知る必要があります。
原因が分からないのに病院や接骨院で施術を
受けた場合、改善することもあれば、改善しないで
ひどくなることもあります。
交通事故にあって、病院や接骨院に通っても
痛みやしびれが消えない場合は他の病院や接骨院に
移って見てもらうことをお勧めします。